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オ''ォ''ォォ…
「いや、まだだ。」
ノアは感じ取った。
「【業壁】《ごうへき》」
砂塵の中より聞こえた声。
少年の前に展開していた黒く半透明の壁は、小さく歪な音を発していた。
(重力系の魔法障壁…障壁系の魔法じゃかなり高難度だぞ。コイツ、何者だよ、見た所まだガキ…)
「そっちこそ、どこを見てる。」
深く思考し過ぎた上杉、その一瞬の隙が命取りだった。
「洒落臭ぇ!!」
「っ!」
ドゴォン!!
今度はカイの高速蹴り。右腕で防ぐが、その威力に吹き飛ばされた。
パラパラ…
突っ込んだホテル街は、派手に壊れた。
「カイ、いつになったら君はWMOからの修理代を受け取らずに済むんだい?」
「カハハ、悪ぃ!!それよか龍成、何をボケっとしてんだ。」
「すまね、油断した。」
「あのガキ、意外とヤルわね。」
ノアの不安はカイの給料がまた削られる事だったが、今はそんな事どうでも良い。四人は再認識する、この少年は強い。
「エレン、後方から援護を頼む。」
「分かった!」
「…龍成、カイ、僕ら三人で一気に片付けるぞ。」
「上等。」
「カハハ!覚悟しろよガキィ…食い潰してやんよ!!」
上杉は指関節をゴキリと鳴らした。
「多勢だからと言って、そう簡単に行くと思うなよ。」
「【エクスカリバー】。」
キュインッ!
「ちっ…!」
光の飛ぶ斬撃は、少年がさっきまでいた場所を斬り裂いた。
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