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少しばかり荒々しい風が吹き荒れ、生暖かいモノが伝わって来る。
「カイ、エレン、大丈夫か!?」
「カハッ!あんのクソガキィ、ブチ殺してやる。」
「っとにムカつく、アレね、『大人は俺達の事を分かってくれねんだ』タイプね、あのクソガキ。」
「…大丈夫そうだな。」
上杉の問いかけはガン無視、苛立ちを顕著に見せた。
「【乖離】《セパレート》。」
分離する黒と白の剣。二刀流となり戦闘スタイルは、手数が増える。
「【エクスカリバー】!」
キュゥオン!
上杉だけではない、ノアからの光の斬撃は遠距離ながら速度・パワーといい、油断できない。
小さく横に飛んで避けるが、結果として舌打ちをする事となった。
「【龍神】と【神童】、やはり息はピッタリだな…」
少年の腰に下げた赤黒いボックスが発光する。
ギャリリリィンッ!!
「っ!」
「俺が武器を持ってねぇと思ったか?」
「ボックスがあるから、そんな気はしてたさ…。てか、悠長に話してる場合か?」
「……?」
洗練された日本刀。恐らくかなりの業物だろう、刀身の顎近くには『千』と刻まれていた。
二刀流による斬撃を難なく受け止められた事など、気にしない。少年のすぐ背後より駆けて来るのは、カイ。
「あの刀……ぇ?」
「カハハッ…!抉れろっ」
すぐ後ろでエレンが何か呟いたが、今のカイはそんな事どうでもよかった。
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