第14話ーTetraDecaー

9/34
前へ
/423ページ
次へ
少しばかり荒々しい風が吹き荒れ、生暖かいモノが伝わって来る。 「カイ、エレン、大丈夫か!?」 「カハッ!あんのクソガキィ、ブチ殺してやる。」 「っとにムカつく、アレね、『大人は俺達の事を分かってくれねんだ』タイプね、あのクソガキ。」 「…大丈夫そうだな。」 上杉の問いかけはガン無視、苛立ちを顕著に見せた。 「【乖離】《セパレート》。」 分離する黒と白の剣。二刀流となり戦闘スタイルは、手数が増える。 「【エクスカリバー】!」 キュゥオン! 上杉だけではない、ノアからの光の斬撃は遠距離ながら速度・パワーといい、油断できない。 小さく横に飛んで避けるが、結果として舌打ちをする事となった。 「【龍神】と【神童】、やはり息はピッタリだな…」 少年の腰に下げた赤黒いボックスが発光する。 ギャリリリィンッ!! 「っ!」 「俺が武器を持ってねぇと思ったか?」 「ボックスがあるから、そんな気はしてたさ…。てか、悠長に話してる場合か?」 「……?」 洗練された日本刀。恐らくかなりの業物だろう、刀身の顎近くには『千』と刻まれていた。 二刀流による斬撃を難なく受け止められた事など、気にしない。少年のすぐ背後より駆けて来るのは、カイ。 「あの刀……ぇ?」 「カハハッ…!抉れろっ」 すぐ後ろでエレンが何か呟いたが、今のカイはそんな事どうでもよかった。
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2642人が本棚に入れています
本棚に追加