第14話ーTetraDecaー

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ガキャッ! 激しくぶつかり合う剣同士、ギチギチと鬩ぎ合う。 「お前、何者だ…名前を名乗れ。」 「名前なんざ、とうの昔に捨てた。」 膠着状態の二人に、ノアがエクスカリバーを振るう。 「龍成、伏せろ!」 「「!!」」 黄金の大剣に光を眩く張り付かせる。 「【金爛の剣閃】!!《ルーメン・ブレード》」 キュイオォウンッ!! 思わず目を細めてしまう程に壮大な光の斬撃は、街々を豪快に破壊しながら少年を襲った。 「くっ…!」 ドギャギャギャギャァッ!! 荒々しく地面は抉り散った。 「ちっ…流石に‘‘常態”でお前らを相手するのは厳しいな。」 少年は少し悔しそうにニット帽を深く被り直す。 「エレンは退避させたぜ!」 「カイ、すまない。」 「観念しろ、クソガキ!」 三人に追い詰められた。やはりあの若さで、バルクリンを相手取るのは無謀だったようだ。 「お前らとは、またどこかで会いそうだ。潮時だ、じゃあな。」 「…は?」 唐突な別れの言葉。冷めたのか、少年は背を向けた。 シュンッ! まるでその場から消えてなくなったかのように少年は消え去った。魔力感知でさえ分からない程に遠くに行ってしまったようだ。 残された三人は、荒れ果ててしまったホテル街の一角に立ち竦むしかなかった。 「何者だったんだよ、アイツ…」 「けっ!胸糞悪ぃなぁ。」 「理事長には報告しておかないとな、ヤツは恐らくかなり危険だ、それに…本気を出していなかった。」 ノアは、少しだけ戦慄した。あの若さで自分達相手に、‘‘力を抜く”余裕があったのだから。
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