★天使の呼び方★

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 私は、"ふたりの天使"を病院に残して、泣く泣く… 先に退院をした。 "ふたりの天使"は、普通より少しだけ、はやく出産したからだ……。 順調に育ってるんだけど、一緒に帰ることができないのが、寂しい。 ーーでも、 …元がそばに居てくれるから、 それが、とても…心強い。 「……楓、ふたりもすぐ、連れて帰れるんだから…なっ」 「……うん。だねぇ」 車に乗ると、 ……そっと、優しさに包まれて凄く、安心した。 「……元ぇ」 「…ん?」 「……ありがと……」 「…あぁ」 素っ気なく答えた、元だったけど… なんにも言わずに、優しく抱きしめて……くれる。 「…名前、考えたんだけどさぁ」 「…うん」 「…希望の、希って書いてさぁ、のぞむって、いうの」 「……のぞむ…かぁ、いいね」 「…で、楓は?」 「なんか、希の妹に、……ピッタリ…かも」 「……なに?」 「未来って書いて、みく。」 私が言ったら、 …元が、ふっと笑って 「希、未来。かよ?なんか、できすぎてるな!」 「フフ、そだね?」 元の腕のなかで、笑いながら話してた。 "ふたりの天使"の名前が決まって、オンナジような、あまりにも合って る名前に……元とふたりで、笑いあった…。
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