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その夜、私はなかなか眠れないでいた。
ベッドの布団のなかで、元の隣で瞼を…閉じるんだけど、眠れない…眠れそうにない。
寝室のなかを視線を泳がすように眺めると
ベビーベッドをはじめ、可愛いベビー用品たちが…見えてくる。
なんとなぁく、見てると寂しくなってくる……そんなふうにしてたら、
「……楓ぇ?」
「…あ、ゴメン。起こしちゃったね」
慌ててそういうと、
「……起きてた」
「…元ぇ、仕事あるのに、大丈夫?」
「……俺は、大丈夫」
そう言いながら後ろからそっと、優しい腕に包まれた。
「……元ぇ、ありがとう」
「…いいって、楓に…触れてたいだけ、だからさぁ」
「…ぅん」
元の声が、あんまり優しいから…泣いてしまう。
「……また、泣くなよっ」
「…ぅ……ゴメン。」
そうしてくれてたら、いつの間にか安心できた私は、眠ってて、
ーー気づいたら、
もう、朝になってた……。
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