★ハッピーバースデイ★

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ーーまだ、 私と元は、 ふたりの可愛い顔を 見てたくて離れられない ふたり寄り添って見てた。 「楓ー、ふたりとも可愛くて大事、……だけどさぁ」 「……うん。」 「イチバンはさぁ、楓、……だから」 「……えぇ、どしたの、急に」 そう言う前に、元に肩を引き寄せられて、 それに応えるように、元の方に身体をそっと預けた……。 「…楓、大事にする」 「……元ぇ、もうされてるよ」 「……今までよりも、…だよ」 「……元、ありがとう」 腕に力が込められて、ぎゅってしてくれる。 私も元の背中に手を伸ばして、もっと元を感じたくて… 周りを少し気にしつつ、誰も居なかったから……。 そっと、くちづけた… 「楓ぇ、ふたりが、……見てるだろ」 「……元ぇ、まだ、目。見えてないし…」 「……だな?……でもさぁ」 「……なによ」 「……いままで、さぁ、お預けくらってたから…」 「……元のバカ!」 「…だってさぁ、暫く管理入院してただろ?…」 「……いつも、顔見に来てたじゃない」 「……まぁな、楓は平気だったんだなぁ」 「……そうじゃ、ないけどぅ」 ふたりはブツブツと言い合いながら、でも笑い合ってた… とっても、幸せ…そうに。
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