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姉さまは俺の自慢の姉です。強くて、美人で、賢くて。ちょっと女王様ですが俺のことをとてもよく可愛がってくれます。姉さまは俺のことを全身全霊で愛してくれて、俺はそんな姉さまが大好きです。
俺と姉さまは姉弟ですが、全然似ていません。姉さまは女神も頭を垂れるきれいな金髪であるのに対して、俺は目も髪も真っ黒です。魔法の実力も天と地ほど違います。姉さまは天才魔法使いで、俺は基礎の魔法すらうまく扱うことができない出来損ない。しかも体が弱くて少し運動をしようものならすぐに調子が悪くなる。本当に名家の出なのかと噂されるほど、魔法使いとしておちこぼれなのです。
実力を重んじる父はおちこぼれである俺を認めては下さらず、母も俺のことは息子だと認めてくれませんでした。姉さまも最初は俺のことを弟だとは思っておらず、一之宮家にとって俺は観葉植物のような存在だったのです。しかし5年前のあの日、一之宮家が何者かに襲撃され、当主であった父と母が殺されました。神童と呼ばれた姉さまも危なかったのです。
あの時は本当に大変でした。今でこそ女王様のように振舞う姉さまですが、当時は精神的に塞ぎこんでおり、俺も子供ながらに頑張りました。
それから色々とありまして、姉さまは俺のことを弟だと認めてくださったのです。結局父と母は最期まで俺を認めてくれることはありませんでしたが、今は姉さまが俺のことを愛してくれるので俺はそれだけで満足です。
姉さま繋がりですが友人もできました。できそこないの俺ですが、それでもいいといってくれる存在があるというのは、本当に幸せなことです。
こんな幸せが、ずっと続けばいいのに。
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