第1話

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「ああ…いや、違うよ」 部長は眼鏡に触れながら言う。 「…けど、目はいいですよね?」 「よくわかったね」 無愛想な私とは対照的に、部長はなぜか、今朝とは打って変わってにこにこしている。 私は、今朝みたいに愛想笑いをするつもりはない。 なんだか立場が逆転したようだ。 「…別に。そんな気がしただけです。目が悪いようには見えないし」 「パソコン用の眼鏡だよ」 「はぁ…なるほど」 言いながら、部長は少し気怠げに、左手で前髪をかきあげた。 そんな仕草も様になっているのは、悔しいけれど否めない。 眼鏡を外して髪型を崩すと、だいぶ雰囲気が変わる。 なんというか…幼い。 よく見ると童顔なんだな……。 .
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