第1話

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私の無愛想な態度にも気を悪くした風はなく、部長はにこにこしながら続ける。 「じゃあ、またの機会に」 「はい、楽しみにしてます」 ……行かないってば。 それすらもわかってて言ってそうなとこがまたムカつく。 「おいしいイタリアンの店があるんだ。好きでしょ、イタリアン」 「何で知ってるんですか」 「んー?俺の勘。君とは趣味が似てるような気がしたからね」 勘って。 そんなので人の趣味を決めないでください。 「それは…全然嬉しくないです」 そう言うと彼はクスリと笑う。 「まあ、考えといてよ」 .
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