第1話

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「ねえ」 足音の主が話しかけてくる。 すっかり聞き慣れてしまったような気がする声。 「なんですか」 足を止めないまま、振り返りもせずに言う。 気付かれないように歩くスピードを速くする。 「ねえってば」 男らしい大きな手で腕を捕まれ、不本意ながら足を止めた。 さっきまで遠くにいたのに、やはり身長の差だろうか。 振り返って見上げるその人は、思ったよりも高い位置にいた。 …ずっと座ってたから気付かなかった。 こんなに身長高かったっけ? 150センチと身長の低い私から見て、30センチ以上差がある。 .
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