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彼の顔を見て話すには、自然と上目遣いになってしまうのが悔しい。
「……なんですか」
もう一度、部長の目を見て聞く。
すると、少し焦ったような顔をしていた彼は、なぜか照れたように目を逸らした後、柔らかい笑みを浮かべた。
「あ…いや、もう遅いから、送っていくよ」
電車でしょ、小野寺さん、そう付け足して、車の鍵を見せる。
……どうしてそんなこと知ってるんだろう。
ふと頭を掠めた疑問は、面倒なことになりそうなので口にはしないことにした。
「…いえ、悪いですから」
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