第1話

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「あはは、ごめんごめん」 部長は鼻を押さえる私を見て笑いながらそう言うと、目の前にある車を指さした。 「でも、これが俺の車だからさ」 ……まあ、自分の車に辿り着いたら止まるよね、ふつう。 でも止まる前に言ってほしかった…。 そんなことを思いながら指さされた方を見ると、そこには黒く輝く高級車。 ……ベンツだ。 ぽかんとしている私を見て部長はまた笑う。 「俺にベンツは似合わないと思ってる?」 「……いえ、そんな」 ……むしろ、めちゃくちゃ似合ってます。 なんとなく悔しいから言わないけど……。 .
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