第1話

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「今日からこの部署に配属になりました。小野寺侑李です。よろしくお願いします」 そう言って愛想笑いを浮かべる。 「…あー、部長の平野翔です。よろしく」 これから私の直属の上司になるというその人は、にこりともせずに、というか、こちらを見ようともせずにそう言った。 そのあまりの無愛想さに思わず顔がひきつりそうになる。 面倒くさいというのが、隠す気もなく、全身から伝わってくる。 ……ちょっとくらい笑ったらどうなの? 「席に戻っていいよ。今はすることないし」 「……はい、わかりました」 ……私は、この男が、苦手だ。 仕事だから仕方ない。 けど、極力関わらないようにしよう…。 .
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