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交差する視線に、ドキッと胸が高鳴る。
……いやいやいや。
そんなのありえないってば。
あの男にときめくとか。
さっきかっこいいとか思ったのもきっと何かの勘違いで。
部長はなぜか、私の方を凝視してくる。
そしてなぜか、その表情は驚いたような顔になった。
私が思わず不可解な顔をしていると、部長は少し首を傾げた後、ふわりと笑った。
そのとろけそうな甘い笑顔に、再び胸が音を立てる。
私は反射的に、相変わらずこちらを見て微笑む部長から目を逸らした。
……なに、今の。
意味わかんないんだけど。
とにかく無視!
そう思って沢城さんとの会話に集中しようとするも、騒ぎ出した胸の鼓動は鳴り止まない。
部長の視線が今も私を向いているのを感じる。
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