動始歯車

12/49

396人が本棚に入れています
本棚に追加
/618ページ
回転運動が終わり、俺達の足元でうつ伏せになる和也。 「い、妹よ……。兄を見捨てないでおくれ」 顔を上げ、真香に手を差し伸べる。 だが、真香はそれを無視した。 それどころかとどめを刺しにいく。 「あーあ。なんで私のはこんなのなんだろう。私もお兄さんみたいなお兄ちゃんが欲しかったな」 パリンッ。 一瞬本当にそんな音が聞こえたと思う程、和也はショックを受けていた。 「お兄さん、もう1人妹が欲しかったらいつでも言ってくだ……」 真香の言葉が途中で終わる。 だが、その理由は俺でもわかる。 俺の左腕にくっつく佐奈が、物凄い殺気を真香に向けていた。
/618ページ

最初のコメントを投稿しよう!

396人が本棚に入れています
本棚に追加