動始歯車

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ガッツポーズをする和也。 「やったな」 俺は和也に近付き、手をあげる。 「おう」 そう言って和也は俺の手を叩いた。 パン、と乾いた音が響く。 ハイタッチを終え壁の前に移動する。 漸く俺の番が来た。 再生した壁の前で審査している教師に学年、クラス、名前を告げる。 「2年Aクラス、片桐刹那」 「……はい。それでは始めてください」 開始の合図と共に俺は1歩の助走をしてから前蹴りを放った。 その間に要した時間は刹那に等しい。 そして壁はと言うと、俺が蹴ったところから砕け、後ろに破片を飛ばす。 「……合格です」 文句なしの合格だが、1年の時にも壊した事があるからあまり喜べない。
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