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よく見てみると、それは見たことがある人物だった。
俺はその人の傍らに近付き、声をかけた。
「また嫌な事でもあったの?涼華」
そのブランコに座っていたのはクラスで一番美人で立花財閥の令嬢である、涼華だった。
「……誰?」
「んー、一応同じクラスなんだけどな」
ショックを受けつつ、俺は涼華の視界に少しだけ入るように斜め前に立った。
興味があればこちらに視線を向けるだろうから。
「そう。今は1人になりたいの。だから消えて。あと気安く話し掛けないで」
辛辣な口調で消えろと言われたが、ここで帰ったらもうチャンスはないかもしれない。
だから俺は彼女の隣のブランコに腰を下ろした。
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