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「あ、あんたまさか……」
口をパクパクと動かしながらこっちを指差す。
「思い出してくれた?」
「あんたあの時の下僕!?」
その思い出され方は釈然としないな。
けど思い出してくれただけマシか。
「お久しぶりです。涼華お嬢様」
そう、俺は幼少期に涼華と出会い、下僕と呼ばれて色々させられた。
四つん這いにされ、その上に乗っかられてこの公園を10周させられたり、おぶった状態で街中を跳び回ったり。
そんなじゃじゃ馬がこんな美人になるなんてあの頃の俺は思いもしなかっただろう。
「あ、あんた今までどこ行ってたのよ!」
思い出してくれた後の第一声が心配の言葉じゃなくて怒声とは思わなかった。
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