動始歯車

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冗談混じりに言ったのだが、涼華は真に受けてしまい、しゅんとなりながら小さく「ごめん」と言った。 「いや、いいんだ。妹は、っていうより孤児院にいた奴は皆俺の妹や弟みたいなもんだったし、俺も頼れる兄でいようとした。だから皆俺にぞっこんでな」 「自分で言う?」 「事実だからな。それに暴走したのは多分妹1人じゃなくて数人だった。まあでも、あんなちっちゃい孤児院なんか誰も気にも止めないからガスが引火して爆発で収束した。だから真実を知る者は少ないけど」 相槌を打ちながら話を聞く涼華に疲れた様子は見えないが、そろそろ涼華の事が聞きたい。
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