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「ったく……。じゃあ俺が質問する。今日はどうしてここに?」
「……言わなきゃダメ?」
言いたくないのか、うつ向いたままこっちに視線を向けるから自然と上目使いになる。
か、可愛いじゃねぇか……じゃなくて!
俺は頭を左右に振り、雑念を振り払う。
「俺は極秘の情報を教えたんだから、それ相応には質問させてもらおうかな」
「……はあ。わかったわよ」
「んじゃさっきの質問のこたえは?」
「お父様がお見合いしろって……。私まだ17にもなってないのに」
本当に嫌なのか、涼華は拳を握りしめた。
爪が手のひらに食い込むのを気にも止めず。
だから俺は涼華の手を握った。
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