動始歯車

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「なにしてんのよ!?」 声を荒げるものの、涼華は手を振りほどかなかった。 「そんなに強く握ったら手が傷付くだろ」 「だからって軽々しく触ってんじゃないわよ」 ここで漸く俺の手を払い除けた。 もっと触ってたかったけど仕方ない。 「父親に嫌だって言えば?」 「聞く耳すら持たないわよ」 「じゃあ見合い相手と2人っきりになった時に言えば?」 「……明暗ねそれ」 最初に思い付けよ!って突っ込みたかったが、言ったらまた能力で攻撃されそうだからやめとく。 涼華はシチュエーションをイメージしているのか、う~んと唸りながら顎に手を当てた。
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