動始歯車

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やっぱり君は、下を見ているよりも前を見ている方が凛として格好良いよ。 決して言葉にしないその思いは、俺の胸を高鳴らせた。 「解決したようなら俺はもう行くよ。妹をこれ以上待たせる訳にはいかないから」 「そう……」 少し暗くなる涼華は、多分俺の話を聞いていなかったんだ。 俺は涼華にとって初めての友達だから。 次、いつ会えるかわからなければ不安になるのも仕方ない。 「じゃあまた明日、学校で」 「え?」 今の反応から察するに、やはり俺の話を聞いていなかったんだろうが、サプライズってことで黙っておこう。 俺は涼華の別れの言葉を待たずにその場を去った。 漸く……漸く俺の中で止まり続けていた歯車が動き始めた。
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