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「おい佐奈。トマトは昆虫の食い物だ。人様の食卓に並べるんじゃない」
「何言ってるんですか。トマトは人様の食べ物です。文句を言っていないで早く食べてください」
「うへぇ」
本当によく出来た妹だ。
トマトを食べると嬉しくて涙が出てきたよ!
ついでに胃液も一緒に出てきそうだ。
俺はなんとかトマトを飲み込み、口の中を水で洗浄する。
「ゲロマズ」
「下品な事言わないでください」
「さ、さーせん」
青い瞳で睨まれ、体を小さくする俺。
兄なんてそんなもんさ。
朝食を終えた俺達は、佐奈の手作り弁当を忘れずに学校に向かう。
初日だから授業はないが、俺には必要だ。
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