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「ちょっと移動しようか」
涼華の手を引き、近くにあったベンチに腰を下ろす。
隣に渋々涼華が座り、それを確認してから話をした。
「授業っつうか訓練の時間に堂々と中庭でサボるなんて初めてだ」
「私はサボること事態初めてよ」
「たまにはいいだろ?人生ずっと真面目に生きていくのは辛い。だから、たまの息抜きも必要なんだよ」
「……それ遠回しに私の家出のこと言ってる?」
「まあね」
足蹴られた。
「でも、確かにそうね。たまにはこういうのもいいわね」
そう言って涼華は笑った。
俺は……この笑顔を守るために今ここにいるんだ。
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