波乱日常

31/50
前へ
/618ページ
次へ
「ちょっと移動しようか」 涼華の手を引き、近くにあったベンチに腰を下ろす。 隣に渋々涼華が座り、それを確認してから話をした。 「授業っつうか訓練の時間に堂々と中庭でサボるなんて初めてだ」 「私はサボること事態初めてよ」 「たまにはいいだろ?人生ずっと真面目に生きていくのは辛い。だから、たまの息抜きも必要なんだよ」 「……それ遠回しに私の家出のこと言ってる?」 「まあね」 足蹴られた。 「でも、確かにそうね。たまにはこういうのもいいわね」 そう言って涼華は笑った。 俺は……この笑顔を守るために今ここにいるんだ。
/618ページ

最初のコメントを投稿しよう!

396人が本棚に入れています
本棚に追加