波乱日常

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「それじゃあ俺達はこっちだから」 和也、真香、円香と別れ、そのすぐ後で涼華とも別れる。 2人っきりになった瞬間、今まで俺の3歩後ろを歩いていた佐奈が、隣に立ち、俺の腕に抱き着いてきた。 「どうした?今日はいつもより甘えてくるな」 「兄さんが……涼華さんの事ばかり見ているからです」 「……バレてた?」 俺の腕を締め付けていた力が強くなり、佐奈は今にも泣きそうな顔で俺を見上げた。 「兄さんの事は、何よりも理解していますから」 ……バカだな俺。 同じ過ちを起こさないように気張っていたが、今度は違う過ちを起こしてしまうところだった。 俺は……涼華だけじゃない、佐奈も真香も円香も和也も……皆を守るために今ここにいるんだった。
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