波乱日常

34/50
前へ
/618ページ
次へ
佐奈には全てを打ち明けたい。 だけどこの事は誰にも言えない。 言ってはならないんだ。 不安要素はたった1つでも増やす訳にはいかない。 「佐奈には敵わないな」 「兄さんの妹ですから」 「俺は確かに涼華の事が好きだ。けど、それと同じくらい佐奈の事も大切に思ってるから」 「……はい」 佐奈は満足したのか、俺の腕から離れた。 とは言ってもいつの間にか手を繋いでいたが。 「帰るか」 「はい。今日の夕食は兄さんの好きなビーフシチューですよ」 「マジで!?」 生きていてよかったと思った1日だった。
/618ページ

最初のコメントを投稿しよう!

396人が本棚に入れています
本棚に追加