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佐奈には全てを打ち明けたい。
だけどこの事は誰にも言えない。
言ってはならないんだ。
不安要素はたった1つでも増やす訳にはいかない。
「佐奈には敵わないな」
「兄さんの妹ですから」
「俺は確かに涼華の事が好きだ。けど、それと同じくらい佐奈の事も大切に思ってるから」
「……はい」
佐奈は満足したのか、俺の腕から離れた。
とは言ってもいつの間にか手を繋いでいたが。
「帰るか」
「はい。今日の夕食は兄さんの好きなビーフシチューですよ」
「マジで!?」
生きていてよかったと思った1日だった。
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