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悠太が酔った足取りでアパートに辿り着いた時、既に空は白み始めていた。
悠太の部屋は二階の角にあった。
鍵を取り出し、鍵穴に挿して回すとカチャンッと音を立ててドアがロックされた。
「あれっ? おかしいな。鍵を閉め忘れたか? 気をつけなくちゃ」
彼は独り言を呟きながら鍵をしまい、ドアノブを下げた。
奥の部屋の灯りが点いている。
「んっ? 点けっ放しにしちまったか? まずいな」
悠太がネクタイを外しながら部屋に入ると、見知らぬ女が居た。
「おかえりなさい」
「えっ?」
女は壁際に身を寄せて、こちらを見ている。
床に寝ていたのだろうか? 起きたばかりのように見える。
立ち上がりかけたところで顔を見合わせてしまったらしい。
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