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落日が都季の横顔を茜色に染めている。
額には、微かに汗が滲んでいた。
あれから三年が過ぎた。
三年という月日は、大人にはさしたる違いも現れぬが、成長期の子供にはそれは大きなものである。
十六になった都季は、見違えるほどに成長した。背丈は一回り大きくなり、体つきも女らしくなっている。
三年前の試験で見世娘に選ばれていたならば、今頃は綾と対等に渡り歩いていたやもしれぬのだ。
しかし、あの日を境に都季は妙児に見限られた。
下女としての持ち場も、部屋付きから敷布洗いに降格。
都季は、この三年、洗い場以外の持ち場を担当したことは無い。
「ちょっと。どんくさいわね。早く洗いなさいよ!」
洗濯した敷布を取りにきた部屋付きが、都季に怒鳴った。
「洗ってます。私はさぼってません」
「あんた!
敷布洗いのクセに私に歯向かうの?」
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