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なるほど――。
一見、快楽(けらく)に耽っているようだが、やはり色情を利用しただけの行為である。
都季の体は、医者を受け入れるつもりなどまるでない。
「都季。嘘っぽい声はよしなさい。私を馬鹿にしているんですか」
半身を起こして言うと、都季は目を逸らして苦笑した。
見抜かれたことに戸惑いを感じたらしい。
何故、こうも分かりやすい反応をするのか――。
都季をいとおしく感じる理由の答えが、ここにある気がした。
「私と床を共にするなら、真面目にしていただかないと困りますね」
上下の位置を入れ替わった。
白磁のような肌を味わった。
都季に閨房術を教えたのは医者である。
どこをどうすれば、都季が身をよじり、むせび泣くのか。都季以上に都季を知り尽くしている。
北風が縁の障子を叩いた。
外は風が冷たかろう。
抱きしめた都季の体は熱を帯びていた。
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