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松若旦那が偉進を見て、酷薄に微笑んでいる。
偉進はそれを肌で感じとったが、気付かぬ振りをして東屋に目を向けた。
「五位、北中町商」
「四位、北町商」
「三位、西下町商」
あちこちで歓喜の声と嘆息が上がっている。
「二位、中町商」
本町の団長らが怪訝な顔をした。
松若旦那は、やはりと言わんばかりに目を瞑り、笑いを堪えている。
「一位、本町商」
年配の皇家役人が通牒を閉じると、「やったぞぉおお!」と、偉進が拳を掲げて叫んだ。
松若旦那は訳が分からない。
「お待ちください。何かの間違いではございませんか」
「我等は東町です。歴代の実績もございます。先日も上等の白檀を――」
東町商の集団は皇家役人に詰め寄ったが、その答えは
「吟味したうえでの結果である」
という冷たい返答であった。
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