第14話

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「本日は、この場にお呼びいただき感謝いたします」 「うむ。面をあげよ」 偉進の声で一同背を伸ばすと、おもわず皆が驚倒して目を見張った。 上座に赤い官服の男が座している。 皇家役人――。 そう認めると娼妓は次々に畏まり、いまいちど低頭した。 しかし、都季は立ち尽くしていた。 「まあ、そう堅くなるな。みなに酒を注いでくれ」 くっくっと偉進が笑っている。 その偉進こそが、皇家役人のなりで中央にどかりと腰を据えていたのだ。 都季はまぼろしを見ているのかと思った。 娼妓らは深々と礼をすると、下女が運んできた銚子を各々持ち、酒を注ぎに回った。 毬子が松若旦那の姿を探している。 「都季。あんたは上座だろ。旦那が待ってるじゃないか」 ハナエが都季に囁き、銚子を手渡した。
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