第14話

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「治部官様。本日は一位獲得、まことにおめでとうございます」 二人の男が偉進の前で低頭した。 「うむ。中町も二位獲得。互いに祝杯をあげようではないか」 偉進が酒杯を渡せと都季に目で合図した。 都季が二人に酒杯を手渡すと、二人は両の手で酒杯をささげ、偉進から注がれた酒を正面を外して飲み干した。 この二人が去ると、また他の二人が祝詞に訪れた。 その二人が去ると、やはりまた他の二人が訪れるのである。 しかしそれが、三位獲得、四位獲得……と、順に訪れていることに気付いたとき、都季は席順が獲得順位の並びとなっていることに気付いた。 「シンさん。東町の若旦那様が所属している商団は何位だったのですか」 「東町か――」
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