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─ギシ……ギシ……
ベッドの軋む音、それから人の気配を感じてまどろみの意識の中、徐々に覚醒していく。
間違いない。
美空姉さんだ。美空姉さんがいる。
「………なに…してるの美空姉さん?」
「夜這いよ」
薄暗い部屋の中、美空姉さんは柔らかく微笑んでそう言った。
それ以外は時計の刻み音のみが聞こえるだけだ。針は二時を指していた。
「……?」
僕は一瞬耳を疑った。
夜這い……?そう言ったのだろうか……
「混乱している葵も可愛い」
そう言って美空姉さんは僕との距離を詰めてくる。
唇が重なりそうになる、僕は──
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