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ーごすっ
「ぐぅ!……?」
朦朧とする意識の中、目の前には天井が広がり、背中には冷たい感触。
おまけに後頭部が痛む。
(…………ああ)
数秒間フリーズして、理解した。
頭が痛いのはベッドから床に落ちたからで、美空姉さんの夜這い云々は夢だったということに気付いた。
「……とりあえず、起きるか」
ーシャッ
カーテンを開くと朝の日差しが部屋を明るくする。
目を細めて、日差しを見つめ、頭の中がクリアになったところで──
ーコンコン
「起きてる…?朝ご飯できたよ?」
控えめなノックと共に美空姉さんの声。
「うん。着替えてすぐに行くよ……美空姉さん」
そう返事をしながら、僕は制服に手を伸ばした。
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