0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう……」
美空姉さんと夕食(タイムセールで勝ち取った鶏肉をメインに)を共にしながら、杏さんのバイトの件を話すと、美空姉さんはやや不安そうに頷いた。
「杏さんにはお世話になりっぱなしだし、恩を返す意味でも引き受けたんだ」
「お弁当……作ろっか?」
「?杏さんが用意してくれるって言ってたから大丈夫だよ?」
「私の料理じゃ不満?」
美空姉さんが何故か責めるように僕を見つめてくる。
「そ……そうじゃないけど……」
「あ………ご、ごめんなさい!葵を困らせるつもりはないの!本当よ……信じて」
はっと、美空姉さんは慌てたようにそう言うと泣きそうな顔で、すがるように僕の手を握る。
「うん…わかってるよ美空姉さん。信じてるから」
「うん」
美空姉さんの手を握り返しながら微笑むと、美空姉さんは安心したのか頷いた。
「……?」
美空姉さんの視線は自身の手と僕の手に釘付けになっており、顔も真っ赤になっていた。
熱でもあるのだろうか…
最初のコメントを投稿しよう!