第1夜

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「そう……」 美空姉さんと夕食(タイムセールで勝ち取った鶏肉をメインに)を共にしながら、杏さんのバイトの件を話すと、美空姉さんはやや不安そうに頷いた。 「杏さんにはお世話になりっぱなしだし、恩を返す意味でも引き受けたんだ」 「お弁当……作ろっか?」 「?杏さんが用意してくれるって言ってたから大丈夫だよ?」 「私の料理じゃ不満?」 美空姉さんが何故か責めるように僕を見つめてくる。 「そ……そうじゃないけど……」 「あ………ご、ごめんなさい!葵を困らせるつもりはないの!本当よ……信じて」 はっと、美空姉さんは慌てたようにそう言うと泣きそうな顔で、すがるように僕の手を握る。 「うん…わかってるよ美空姉さん。信じてるから」 「うん」 美空姉さんの手を握り返しながら微笑むと、美空姉さんは安心したのか頷いた。 「……?」 美空姉さんの視線は自身の手と僕の手に釘付けになっており、顔も真っ赤になっていた。 熱でもあるのだろうか…
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