第6話~家族の記憶~

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か?」 住人「ごめんなさい。うち狭くて無理だわ」 恋音「そうですか。ありがとうございました。 はーそう簡単にはいかないか。 三件目、四件目、五件目…。 これで何件目だろう。 もう辺りは暗くなりはじめてた。 よし、これで決めてやる。 恋音「すいませーん」 住人「なんですか?」 恋音「すいません。今晩泊めてはいただけないでしょうか?」 住人「旅人かい?」 恋音「はい。お陰さまでお金もなく困ってたんです。どうかお願いします!!」 僕は深々と頭を下げた。 住人「頭をあげてください。そんなことをしなくてもいいですよ?お入りください!!」 やっ、やったー! と心のなかでおもい。 お礼をいい泊めてもらえることになった。 住人「君名前は?」 恋音「恋音です!」 住人「いい名前だね」 と微笑んでくれた。 不思議な感覚だ優しさに包まれている感じだった。 そう思ってたらご飯が出てきた。 恋音「い、いいんですか!?」 僕は驚きながら尋ねた。 住人「当たり前だよ!ドンドン食べてね」 恋音「ありがとうございます!!!!」 僕は素直に嬉しかった。 ご飯も食べ終わり、その人はお風呂にも入らせてくれた。 あとは寝るだけだ。 恋音「おやすみなさいです」 住人「はい。おやすみぃ」 寝ようとしたらあのフラッシュバックだ。 今度は男の人と女の人。それに女の子が二人。最初の記憶の女の子とは違うようだ。 テーブルを囲み楽しそうに食事をしている。 僕はおもう。これは、家族の記憶? 顔ははっきり見えない。 …終わってしまった。 なぜだろう。僕は自然と涙が出てきた。 恋音「あ、れなんで?泣いているんだ。」 でもうっすらと笑っている。 きっと嬉しかったのだ、少しでも家族の記憶が取り戻せたのが。 顔がまたも見れなかったのは残念だが良かったと思った。 またこれで明日から頑張れる! そう思いながら僕は眠った。
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