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なのは
「………実は……」
~数分後~
竜也
「……なぁるほど。オメェの家族が忙しく、オメェはいい子でいなきゃいけねぇと……そういう訳だな?」
なのは
「うん………」
竜也
「…………馬鹿か?オメェの家族は。父親は別だが……」
なのは
「………え?」
突然の竜也の言葉に、なのはは驚いて竜也を見た。
竜也
「オメェがこんなに寂しい思いをしてんのに、なんでソイツ等はほったらかしにしてんだよ?例え店が忙しくても、家族だったらちゃんと向き合えよ」
なのは
「で、でも……にゃ!?」
なのはが何かを言う前に、竜也はなのはの頭を乱暴だが、優しくまるで割れ物を扱うかのように撫で始めた。
竜也
「全部がいい子でいなきゃいけねぇなんてねぇんだよ。俺ら餓鬼はよく遊んで、よく食べて、よく寝て、そしてわがままを言う。それが本当に正しい餓鬼のあり方だ。良いか?この世の中は殆どが嘘だらけだ」
なのは
「嘘だらけ……」
竜也
「例え正しそうなことや言葉を並べようが、現実はそんなに甘くねぇんだよ。この世に絶対的な正しい事なんかねぇんだ」
そう竜也はなのはに言い貸せるように言い、竜也は夕陽を見る。なのはは竜也の歳上特有の雰囲気と魅力に魅了されていた。
竜也
「ただな?それでも信用できる物がある。それは自分だ」
なのは
「自分が……どうして?」
竜也
「自分がこうであるべきだ。自分にとってコレが正しいって思うという道を信じることが……俺の最も信用できる物だ。例え、他人から非難されようがな」
なのは
「………私にも」
竜也
「ん?」
なのは
「私にも……竜也さんのようになれるかな?自分の信じる道を見つけることが……」
そう言って、なのはは竜也を見る。それを見た竜也はフッと笑うとなのはに手をさしのべた。
竜也
「一緒に見つけようぜ。自分の信じる道を……俺らが本当に信用できる……分岐点をな」
なのは
「………うん!」
そう頷き、なのはは竜也の手を握り締め、そして竜也はブランコからなのはを立たせ、互いに笑い始めた。
竜也
「改めて、よろしくな!」
なのは
「こちらこそ、よろしく!」
コレが、高町なのはの新た分岐点の始まりであり、そして男鹿竜也の始まりでもあった……
次回に続く!
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