第5話

12/17
395人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
林から数メートルしかない砂浜。 そしてすぐそこには海。 「ココ穴場なんだよね」 この場所はサッカー部の10番に引き継がれてきた秘密の場所。 背番号『10』は希望と期待が入り混じった番号。 プレッシャーが多い中、この重い10番をつけた人だけが許される場所だった。 「オレは2年で辞めちゃったけど」 そう辛そうに言う洋介。 「でも、今の3年の『10』はオレだから」 その顔は嬉しそうだった。 「じゃ、2年の10番にココを教えてあげるの?」 「うん、明日の朝な。5時に玄関で待ち合わせしてんだよ」 それも長年引き継がれてきた事らしい。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!