壊れていく心

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私は敢えて、月の言葉を聞かなかった事にしてみたりして、落ちたサンドイッチを片すため、椅子から勢いよく立ち上がる。 でも…… 「ちょっと逃げないでよ。オレとお風呂に一緒に入るの……嫌?」 と私の手に月の手が重なってきて、逃げ場を失った。 嫌じゃないけど恥ずかしい。 それに此処は月の実家だし……やっぱり一緒に入るのは気が引けてしまう。 私は月の言葉に反応を示す事はなく、顔を赤くして背を向ける。 すると、いつの間にか背後に移動してきた彼にギュッと抱き締められた。 「ね……、入ろうよ」 そんな言葉を囁かれながら……頬を染めてしまう。 月の何気ない一言。 だから、かなり犯罪ものなのよ。
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