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……そう思っていたら、月と私の背後に現れたあの子。
「まーま、つゆもする!」
「あーあ。邪魔さーれた」
と言った月は小さく舌を出すと、月優を抱っこする。
その大きな瞳が、私と月の顔を覗き込んできた。
……月優が、月の首に小さな手を回してしがみつく。
月は口パクで、“続きはまた今度ね” と言ってリビングへ移動した。
私がそんな月と月優を追いかけると、月優を手渡された。
「オレ、レポート片づけてくるから、何かあったら呼んで?」
とリビングを出て行く月。
残念のような、ほっとしたような、そんな気持ちで彼の背中を見送る。
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