壊れていく心

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「ぱぱはー? あそんで、……ないの?」 「パパは、お勉強が忙しいのよ。お勉強が終わるまで、月優はいい子でいられるかしら?」 「つーゆ。いいこー」 月優のその可愛らしい言葉。 そして、その笑顔にやっぱり微笑んでしまう。 ……子供って本当にずるいわね。 だって、何をやっても可愛いんだもの。 その夜。 お義母様が帰って来て、一緒にキッチンに立つ。 お手伝いさんと、お義母様と一緒にキッチンに立っても、この家のキッチンは広いので余裕なのだ。 ……お義父様はお仕事で、今夜も遅い。 そんなお義父様は、月が一人前の医師になるまで引退を考えてはいないらしい。
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