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「ねぇ優陽。そういうのを、“同情” って言うんだよ? 優しいのはあなたの長所でもあるけど、優しいだけじゃ、誰かのためにならない事もあるんだよ」
「え?」
「だからこれからは、優陽が一番に想うのは、オレと月優の事だけにしてよ? そうじゃないと……」
そこまで言って、言葉を詰まらす月は少しハニかんだ。
「オレ……女にも嫉妬するんですけど……?」
その言葉に、思わず噴出する。
ねぇ月……
もっと、もっと嫉妬して?
老若男女問わず嫉妬してほしい。
……そう思った私は、何て滑稽なんだろう。
あんなに彼女の気持ちが分かると言ったくせに、その言葉がめちゃくちゃ嬉しいのよ。
私だって、私だけに優しい月が好きよ。
……大人の私より、時折大人っぽいあなたが好きよ。
これからもずっと……変わらず愛してほしい。
私、今日よりも明日……明日よりも明後日……明後日よりも一週間後
あなたをもっともっと好きになるの。
「優陽……続きしよ?」
「もうっ、バカっ」
いつも困らせてばかりの私だけど、旦那様への気持ちだけは本物だから―――…
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