壊れていく心

2/37
前へ
/40ページ
次へ
「じゃあ、行くからな。ああ、見送りはいらねぇーよ。どうせすぐ戻って来るんだし……そしたらまた、高知に行ってやるよ。まぁ正月を実家で過ごせないというのは、寂しい気がするがな!」 桜さんはそう言って、お見送りをするお義母様と一緒にタクシーに乗り込み、成田空港へと向かっていった。 ……私と月と月優はお留守番でお義父様はお仕事だ。 玄関で桜さんが軽く挨拶をして、数分後には、静かなリビングに私と月の二人きりになっていた。 月優は、お義母様達の寝室でまだ眠っている。 そしてこれから二人きりの朝食……のつもりだったんだけど、月の隣にはソックリな顔がもう一つ。 作ったばかりのサンドイッチに齧り付いている。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

616人が本棚に入れています
本棚に追加