壊れていく心

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雪と月は双子の兄弟だけど、かなり複雑な環境で育ってきた。 でも離れて育てられても、何か通じるものがあるから……こうして仲良くお付き合いをしているんだと思う。 ……その数分後。 サンドイッチに満足したのか、食べる手を止めた雪が真剣な表情で口を開いた。 「月、義姉貴、悪かったな。奈央の奴に何か言われたんだろ?」 雪のその言葉で、月と顔を見合わせる。 月はゆっくりと首を縦に傾けると、優しく微笑んで見せた。 私の不安な心が手に取るように分かるのか、その瞳は “大丈夫” と言ってくれてるように思えた。 ……そうよね。 雪の事を出して、私と月の仲を引き裂こうとしてきたなんて、そんな事実を雪に言える訳がないもの。
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