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「雪と奈央の気持ちは分かるよ。けどもうオレ達にはどうする事も出来ないんだ」
と月が雪の目を真っ直ぐ見つめて……強くそう言った。
月の言う通りだったから、私はその言葉に相槌を打つ。
……暫くすれば、時間が解決してくれる問題もあると思う。
けどこればっかりは、何とも言えない。
「だーよな。まぁ安心しろ! 俺は奈央を好きになろうって思えたから、アイツと付き合ってんだ。確かに義姉貴に未練がねぇーって言ったら、嘘になるけどよぉ……」
今度は雪が月の目を真っ直ぐと見つめる。
互いに見つめ合ってる月と雪。
……会話が途切れる。
同じ顔の男の子二人が見つめ合うなんて、とても不思議な光景だ。
……思わず息を呑み込んだ。
そして今度は、そんな二人の顔を私自身が見つめていた。
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