第1話

2/4
前へ
/11ページ
次へ
「はわぁー…眠い。」 はふぅ、とふかふかのベットにダイブした。 今年で16歳の古城ありすです。 私の家は、銀ノ京寺院と言うお寺です。 お父さんは、あの阿部晴明のひ孫で陰陽師の四股といわれる霊能者です。 私は、母を早くに亡くしているので代わりに巫女を務めています。 とはいえ、まだまだ16歳の私には出来る事はあまりありません。 せいぜいお供え物のご飯を作って運ぶ事や週に1回寺院の床拭き位しか出来ません。 「眠い…」 さっきお風呂に入ってドライヤーを掛けたものの、うっすらと湿った髪を撫でた。 今日はお父さんは、お祓いの四股があるから帰って来るのは朝方かもしれません。 そうそう、四股っていうのはお相撲さんがどすこい!ってやるやつで、霊能者になるとそのどすこいが悪霊を吹き飛ばすって事です。。 私は女だから、四股ではなくお清めの力を舞を舞って増やすしか出来ないですが。 ……。本当に眠くなってきた。 明日は学校のテキストを解かないと、単位が取れなくなってしまいます~。 私は通信教育で高等学校の資格を取るためにちょこっとずつ勉強をしている。 まぁ、お父さんに迷惑をかけたくないからが1番大きな理由ではあるんですがね…。 ベットの毛布をぐるっとめくり、布団をかぶった。 今ならギュッと目を瞑って3秒以内で寝られる程自信があります。 でも、なんか寝たくない。 でも、眠い。 寝たくない、眠い、寝たくない、眠い…。 贅沢な矛盾が頭を駆け巡っていく。 もこもことあったかい布団がまるで雲の上への入口の様な錯覚も。 スマホを枕元から、ゴソゴソ取り出して画面を付けた。 ロック画面には、10:06とぼんやりと浮かびあがった。 そして、その画面にはポップなマカロンのイラストが。 スマホを裏向けて枕元に戻した。 カチッ 部屋の明かりを消してゆっくり目を瞑った。 ぼんやりと私は真っ暗な世界へと飛び込んで行きました。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加