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side.花
「きゃぁっ」
うっわ、ゲリラ豪雨。
くっそ。
駅前のカフェで勉強するつもりだったのに。
手に持った鞄を抱え込むようにして、どうにか濡らさないようにする。
どうしよう。
駅前までは間に合わない。
「おーい、お嬢さん」
「わっ」
声をかけられて慌てて止まる。
お嬢さんって、私?
キョロキョロと辺りを見渡せば、おじさんが一人。
こいこいと手招きされるまま、そちらへ近づいていく。
そこには、アンティーク調の看板。
『喫茶夢幻』……?
喫茶店かな。
「あの……」
「ずぶ濡れだなー
ちょっとうちで休んできなよ」
お店……だよね。
だったら怪しくないよね?
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