第6話

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    日曜日は仕事だ。 お見舞いに行かれるお客様が次々にお見えになって… 結構忙しい。 でも、 その合間に、 明日からどうやって売り込みに動こうかと考える。 知ってる制作担当の人の番号を確認したりしてると、 すぐに時間が経ってしまったりして… 今日は帰ったら、 作品を整理して… なんて考えてると、 すぐに帰る時間になってしまった。 暖かくなるとお花の種類も多いけど、 咲ききってしまう花も多い。 だから、 毎日、少しずつ貰って帰るんだ。 それも楽しみのひとつ。 今日はけっこうな花束になってしまったので、 帰ったら、昨日のお礼に洋子さんのお部屋に活けてあげようと考えながら、 帰った… 「洋子さ… 「澪ちゃん? 入って入って? まあ、綺麗なお花。 私にくれるの?」 何も言わせない勢いで私を部屋に入れた。 「これ、 今日買い物に行ってきたの。 のんちゃんを連れて。 みんながかわいいかわいいって。 アイドルだったわよ? のんちゃん。 でね? 売り込みに行くお洋服、 選んできたの。 勝手にだけど、似合うと思うのよね…これ。」 薄葉紙を開いてみせる洋子さん。 薄いベージュのシックなブラウスと、 清楚なプリーツのスカート。 こんなお嬢様のような服… 私には似合わないよ。 せめてデニムかスキニー… スカートなんてほとんど履かない。 お葬式の時とか、 結婚式に呼ばれた時以外は…
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