第6話

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洋子さんはいつも強引で、優しい。 「大丈夫だって。 雰囲気がガラッと変わって似合うわよ? 私が選んだんだから。 それにね? 澪ちゃんには売れて欲しいの。 なんにも取り柄がないおばさんのささやかな夢。 澪ちゃんが忙しくなったら、 のんちゃんと一緒にいる時間が増えるからね?」 そう言いながら和室に私とそのお洋服を置き去りにして、 障子を閉めた… うう… 着なきゃダメだよね… ここまでして貰ってるんだから。 仕方なく、着替えた。 確かに今朝のお肌は、 もう随分昔に感じてたようなツヤツヤ感。 ファンデなんて半分しか使わなかったくらいに伸びがよかった… メイクの仕方も昨日習ったようにしてみたし、 店長は、 どうしたの? って驚いてた。 気分転換です。 って答えたけど。 いろいろと聞かれた。 だから、 昨日のサロンを教えてあげたりしたんだ。 店長も行ってみようって言ってた。 着替え終わって、 スースーする。 膝を出すなんて、 いつくらいぶり? きっと、 あの南の島で水着になった以来かもしれないほど。 「洋子さん… やっぱり私には…」 障子から顔だけ出して、 洋子さんと希が遊んでるリビングに声をかけた…
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