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「遙人、今帰ったわよ。
さっき、聞いてた。
澪ちゃんは幸せなのかって。
良かったの?
あんな嘘ついて。」
遙人がまだ、
私を気にしてくれてる?
「なんて言ってた?」
どういう言葉を期待してるのだろうか。
なにを期待したとしても、
もう、なにも始まりはしないことは、
自分が一番解ってるのに。
お母さんとお父さんが来てすぐに洋子さんが訪ねてきた。
かいちゃん、かいちゃん。
って、二人が海翔を撫で回してるとき。
リビングで再会を喜んでるときに、
玄関で洋子さんと話をしてた。
「まあ!
洋子さん。
上がってちょうだい?
なにやってるの。
いつもお世話になってるのに立ち話なんて。」
お母さんが洋子さんに気づいてそう声を掛けた。
でも、
「ご無沙汰してます。
主人が居ますんで、また改めて。
お気遣い、ありがとうございます。」
じゃあ、またね?
って帰って行った。
いいんだ。
遙人は元々、洋子さん達の知り合いで、
私の方が後に知り合ったんだから、
こんなこともあるわよ。
昨日はあれからいろんなことを考えて、
全然眠れなかったけど…
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